-
- 吉川 瑛治レオナルド
- 東京農工大学大学院連合農学研究科
-
- Robson Ryu Yamamoto
- ぺロータス連邦大学エリゼウマシエル農学部
-
- José Luiz Petri
- サンタ・カタリーナ州農牧研究公社・カッサドール試験場
-
- Fernando José Hawerroth
- ブラジル農業研究公社(Embrapa)
-
- 山根 健治
- 宇都宮大学農学部
-
- 本條 均
- 宇都宮大学農学部
書誌事項
- タイトル別名
-
- Effects of Hydrogen Cyanamide Treatment in Periods of Dormancy on Budbreaking and Flowering in Japanese Pears ‘Kosui’ and ‘Hosui’
- キュウミンキ ノ シアナミド ショリ ガ ニホンナシ'コウスイ'オヨビ'ホウスイ'ノ ハツガ ・ カイカ ニ オヨボス エイキョウ
この論文をさがす
抄録
ニホンナシ‘幸水’と‘豊水’の鉢植え樹を供試し,2007,2009,2010および2011年度の4か年にわたりシアナミド剤の散布処理を行った.その後22°Cの自然光ガラス室に移動させ,発芽・開花状態を調査した.ニホンナシの自発休眠覚醒の指標とされる7.2°C以下低温遭遇時間と,発育速度(DeVelopmental Rate, DVR)モデルによる発育指数(DeVelopmental Indexes, DVI)を対比させ,シアナミド剤の散布時期の有効範囲の設定を試みた.なお,DVI1は大谷(2006),杉浦(1997),が定義している,自発休眠覚醒期中の-6~12°Cの温度範囲を対象としたものである.そのDVI1は本研究でDVI(old)と定義した.一方,杉浦ら(2003)は自発休眠覚醒期中の21~24°Cの温度域は低温積算の一部を打ち消して自発休眠を逆進させる効果があると報告している.その報告に基づき求めたDVI1をここではDVI(new)と定義した.その結果,7.2°C以下の低温遭遇400~600時間処理の時点でシアナミド処理をすると,両品種の自発休眠打破の促進効果が認められた.両品種ともにDVI(new)(杉浦ら,2003)が0.65~0.70の範囲内でシアナミド処理すると,発芽および開花が改善され,開花日も促進した.DVI(old)(杉浦,1997)とDVI(new)において,発育ステージが進行し,DVI(old)では,1.03以上,DVI(new)では,0.80以上では処理の効果は弱まる傾向を示した.2011年度の秋冬季(10~2月)では他の年次より21°C以上に遭遇した時間が68時間長かったため,低温遭遇時間のみでシアナミド剤の散布時期を特定することは困難であったが,高温時の打ち消しを考慮したDVI(new)は,発育ステージを適正に評価した.以上の結果から,低温代替技術として,シアナミド処理を行う場合,気候温暖化に対応可能なDVI(new)モデルによる散布時期の予測が有効であることが示唆された.
収録刊行物
-
- 園芸学研究
-
園芸学研究 13 (2), 143-153, 2014
一般社団法人 園芸学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680186459904
-
- NII論文ID
- 130004476180
-
- NII書誌ID
- AA11608561
-
- ISSN
- 18803571
- 13472658
-
- NDL書誌ID
- 025506586
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可