収穫から処理までの日数および保管温度がリンゴ‘ふじ’における 1-メチルシクロプロペンの品質保持効果に及ぼす影響

  • 樫村 芳記
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所
  • 羽山 裕子
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所
  • 阪本 大輔
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Influences of Duration and Temperature of Storage between Harvest and Treatment on the Efficacy of 1-Methylcyclopropene in 'Fuji' Apple Fruit
  • シュウカク カラ ショリ マデ ノ ニッスウ オヨビ ホカン オンド ガ リンゴ フジ ニ オケル 1 メチルシクロプロペン ノ ヒンシツ ホジ コウカ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

リンゴ‘ふじ’の果実において,高い品質保持効果を得られる1-MCPの処理時期を明らかにするため,収穫後2または20℃で保管した果実に1-MCPを処理し,2℃で収穫後153および209日まで貯蔵した際の果実品質に及ぼす影響を検討した.その結果,いずれの保管温度でも,滴定酸度は保管に伴い低下したが,低下の程度は2℃で小さかった.一方,果肉硬度は,いずれの保管温度でも保管期間中に変化は認められなかった.また,2℃で保管した場合,収穫後22日までに1-MCPを処理すれば収穫翌日処理と同等の処理効果を得られたが,20℃で保管した場合は,処理までの日数が延びるに伴い処理効果が低下した.2℃で保管するとIECの上昇が抑制され,収穫後22日でも20℃で保管した場合の収穫後8日における濃度以下にとどまった.‘ふじ’では,収穫後低温で保管することにより,高い処理効果を得られる1-MCPの処理期間を延長でき,かつ処理時まで滴定酸度を高く維持できることから,長期貯蔵後まで品質を良好に保つことができるものと考えられた.なお,低温による処理期間の延長効果については,年次や産地による変動を含めて,より詳細な検討が必要である.

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 9 (3), 361-366, 2010

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (18)*注記

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