書誌事項

タイトル別名
  • Characterization of a "Water-soaked Brown Flesh" Disorder in Peach Fruit
  • モモ カジツ ニ オケル スイシンジョウ カニク カッペンショウ ノ トクチョウ

この論文をさがす

抄録

モモの成熟果の果肉が水浸状になって褐変する“あん入り症”について, その特徴ならびに障害発生の品種および年次間差などを調査した. 障害発生率は‘川中島白桃’, ‘紅清水’および‘華清水’で高かった. ‘華清水’では発生率が年によって変動した. 障害発生は, いずれの品種も縫合線の反対側に多く, 側面部がこれに次ぎ, 縫合線側で少なかった. 障害果は正常果よりも果実重が優れ, 全糖, スクロース, ソルビトール, 水溶性ペクチンおよび全フェノールの含量が多い一方, 果肉硬度, 全アミノ酸含量および塩酸可溶性ペクチン含量が少なかった. 糖含量は果実の部位によって異なり, 側面部で最も多く, 縫合線の反対側がこれに次ぎ, 縫合線側で少なかった. 障害果は果実が収穫熟度に達して初めて認められた. 以上の結果から, モモの“あん入り症”は他産地で報告されている“みつ症”や“果肉褐変症”と同一の障害であると考えられ, 共通の用語として“水浸状果肉褐変症”を提案した.

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 4 (4), 429-433, 2005

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (21)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ