アレルギーとフラボノイド

  • 田中 敏郎
    大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー・感染内科学講座
  • 平野 亨
    大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー・感染内科学講座
  • 比嘉 慎二
    大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー・感染内科学講座
  • 有光 潤介
    大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー・感染内科学講座
  • 河合 麻理
    大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー・感染内科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Allergy and Flavonoid
  • アレルギー ト フラボノイド

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説明

この数十年間でアレルギー疾患の有病率が増加しているが,種々の環境変化の中で食習慣の変化も有病率の増加に関与しているものと推測されている.果物,野菜やお茶に含まれるフラボノイドは,好塩基球や肥満細胞からのヒスタミンや IL-4, IL-13 などのサイトカインまた CD40 リガンドの発現を抑制する活性を有する.ルテオリン,アピゲニンとフィセチンに強い活性 (IC50=2–5 μM) が認められ,また日常摂取の多いケルセチン,ケンフェロールにも中等度の抑制活性 (IC50=15–18 μM) が観察された.その作用機序として,転写因子 NFAT と AP-1 の活性化を抑制することが示された.フラボノイドをアトピー性皮膚炎のモデルマウスに投与することで,発症や症状軽減が認められる.また,疫学研究において,フラボノイドの高摂取群では喘息の発症率が低かった報告もなされており,適切なフラボノイドの摂取がアレルギー疾患に対する予防や補完代替医療となる可能性が期待される.<br>

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