津軽堆積盆地に分布する中新統泥質岩の有機地質学的研究

  • 氏家 良博
    弘前大学理工学部地球環境学科
  • 西浦 邦子
    弘前大学理学部地球科学科
  • 平 悦子
    弘前大学理学部地球科学科 現在: コムテック2000, 東京システムセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Organic geology of the Miocene muddy rocks in the Tsugaru basin, northern Honshu, Japan
  • ツガル タイセキ ボンチ ニ ブンプ スル チュウ シントウデイシツガン ノ ユウキ チシツガクテキ ケンキュウ

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抄録

津軽盆地, 馬ノ神山地域に分布する中新統泥質岩を有機地質学的に調査した. 含まれるビトリナイトの反射率 (Ro) 並びにマツ等の花粉の明度 (stTAI) から推定された有機熟成段階は, 未熟成~石油生成の敷居帯であった. ビジュアルケロジェン分析の結果は, この地域に分布する中新統の大部分で不定形質ケロジェンが優勢であることを示した. また, 長根層から馬ノ神山層にかけての不定形質ケロジェンの増加傾向は, 他の地質学的資料から推定された海進と合致するものである. 草本質ケロジェン, 特にそのうちのマツ科の花粉の含有量は源八森層中でスパイク状に急増し, 同様の現象は中村川ルートや基礎試錐「西津軽沖」でも確認された. しかし, それら三者が全て同一層準と断定することはできない. 馬ノ神山地域の中新統泥質岩は, 有機物の型や量という基準では石油根源岩に匹敵するが, 有機熟成度が低く, 大量の石油生成には至っていない.

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