FPGAによる電流マイナーループ付き電圧制御ソフトスイッチングDC/DC昇圧コンバータの試作

  • 飯田 隆彦
    岡山理科大学工学部電気電子システム学科 パワーエレクトロニクス学会
  • 日野 暢裕
    岡山理科大学大学院工学研究科電子工学専攻
  • 笠 展幸
    岡山理科大学工学部電気電子システム学科 パワーエレクトロニクス学会

書誌事項

タイトル別名
  • Soft Switching DC/DC Converter with Current Mode Control by FPGA
  • FPGA ニ ヨル デンリュウ マイナーループ ツキ デンアツ セイギョ ソフト スイッチング DC DC ショウアツ コンバータ ノ シサク

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抄録

ソフトスイッチングDC/DC昇圧コンバータについては数多くの主回路方式が発表されている。[引用文献1, 2, 3]。その主回路方式のひとつとして、昨年度のパワーエレクトロニクス学会誌に筆者は「ロスレスDC/DC昇圧コンバータ」を発表し、その動作特性を報告した 引用文献 [1]。今回はこの主回路に電流マイナーループ付き電圧制御を適用して、その動作特性を測定したので報告する。引用文献 [4, 5]。<br>試作機のスイッチング周波数を100kHzに設定して装置の小型化を図ると共に、ゼロ電圧スイッチング (ZVS) とゼロ電流スイッチング (ZCS) を実現させて、いわゆる「ソフトスイッチング」になっている。<br>制御方式としては、アナログとデジタルとの混在制御方式を採用した。即ち、出力電圧をA/D変換してFPGAに入力している。使用したFPGAは前回と同じザイリンクス製 Spartan-3 の“XC3S400-4”である。このFPGAに内蔵された整数乗算器を用いてPI制御演算を行ない、その演算結果をD/A変換させて0~4Vの電圧制御信号を得ている。次に、この電圧制御信号をリアクトル電流iLbに比例した電流信号とアナログ・コンパレータで比較させた。コンパレータのパルス出力を再度FPGAに入力して演算処理を行なった後に、半導体ゲートドライバに入力して出力パルスの電位をシフトさせ、増幅して主デバイスへの駆動パルスとした。<br>試作したソフトスイッチングDC/DC昇圧コンバータの仕様は直流入力電圧100V、直流出力電圧200V、出力電流2A、出力電力400Wであるが、良好な出力特性と過渡特性を示した。昨年度に報告した電圧制御のみの特性では10%負荷の0.2Aから2Aの全負荷へのステップ応答での電圧変動率が7.5%であったが、電流マイナーループを付加することで電圧変動率は1.5%に減少し、回復時間も60msから34msに改善できた。

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