縦隔気管孔形成手術症例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Mediastinal tracheostomy

この論文をさがす

抄録

2006年4月から2008年1月までに,縦隔気管孔形成手術を要した頭頸部癌手術例8症例に対し,原疾患,術式,術後合併症,転帰について検討した。8例中6例は気管を腕頭動脈の上方に,8例中2例は腕頭動脈の右側に転位させ,大血管は大胸筋弁で被覆して縦隔気管孔を形成した。術後合併症で,大血管の破綻はなかったが,3例で気管孔周囲の創傷治癒遅延を認め,呼吸器合併症は4例に認めた。縦隔気管孔形成には,気管と皮膚の縫合部に緊張をかけないこと,残存気管の血流が保たれていること,腕頭動脈をはじめとする大血管を各種筋(皮)弁で被覆することが大切である。1)今回の検討も同様であり,気道と食道の維持を考えると大きな意義を持つ手術手技であると考えられる。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 34 (3), 440-443, 2008

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ