イミディエイトサージカルオブチュレータ(ISO)製作のコンセプトについて

  • 隅田 由香
    東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科顎顔面補綴学分野
  • 原口 美穂子
    東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科顎顔面補綴学分野
  • 服部 麻里子
    東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科顎顔面補綴学分野
  • 乙丸 貴史
    東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科顎顔面補綴学分野
  • 村瀬 舞
    東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科顎顔面補綴学分野
  • 吉 志元
    東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科顎顔面補綴学分野
  • 山口 聡
    東京医科歯科大学(TMDU) 大学院医歯学総合研究科顎顔面外科学分野
  • 原田 浩之
    東京医科歯科大学(TMDU) 大学院医歯学総合研究科顎口腔外科学分野
  • 谷口 尚
    東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科顎顔面補綴学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Concept for immediate surgical obturator (ISO) fabrication

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抄録

東京医科歯科大学歯学部附属病院顎義歯外来では,顎顔面補綴治療の専門外来として1979年設立以来口腔外科や頭頸部外科,放射線科などとの連携にて,6,000症例以上の顎顔面補綴治療を行ってきた。そのなかで,手術野を覆うことで創傷治癒を促し,機能回復を行うことを目的として外科手術前に製作し術直後から使用するイミディエイトサージカルオブチュレータ(ISO)の適用症例は200症例を超える。本稿ではISOが外科領域でも広く認識されることを目的に,本外来でのISO製作のコンセプトと製作手順を紹介する。製作に先立ち執刀医より製作依頼を受ける。手術前に検査・診察を行いISOの目的を製作手順とともに患者に説明し,印象採得を行う。本外来の製作では,ISOの必要条件である創面の保護を念頭に置き人工歯が存在することで咬合時に創面に刺激が加わることを回避するため,ISOの段階では人工歯を付与しない。手術直後から使用することで,口腔機能,形態回復およびQOLを向上させるとともに,取り扱いを含め最終顎義歯使用に向けた訓練移行期間の確保に寄与するISOが広く認識され,さらに活用されることを期待する。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 43 (1), 95-99, 2017

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (14)*注記

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