高齢者頭頸部扁平上皮癌の治療

  • 本多 啓吾
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 安里 亮
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 辻 純
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
  • 神田 智子
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
  • 牛呂 幸司
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
  • 渡邉 佳紀
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
  • 森 祐輔
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment of head and neck squamous cell carcinoma in elderly patients

この論文をさがす

抄録

目的:高齢者頭頸部扁平上皮癌患者治療の特徴を明らかにする。<br>対象と方法:2005年から2009年の間に京都医療センターで治療した頭頸部扁平上皮癌患者177名の診療録調査を行い,75歳未満の非高齢群(131例)と75歳以上の高齢群(46例)の臨床的特徴と治療結果を比較検討した。<br>結果:男女比は高齢群で低かった(5.6:1 vs. 1.7:1,p < 0.01)。早期例では,群を問わず大部分で根治治療が施行された(96.7% vs. 90.5%)が,進行期例高齢群では根治治療施行率が低かった(92.3% vs. 52.0%,p < 0.01)。2群間で治療法の選択頻度に有意差はなかったが,高齢群の多くで補助化学療法や術後照射は避けられていた。進行期例に対する根治手術後の局所合併症率は同等だったが,全身合併症は高齢群で高率だった(0% vs. 27.3%)。根治治療後の疾患特異的3年生存率には有意差を認めなかった(早期例:100% vs. 100%,進行期例:65.2% vs. 60.6%,カプラン・マイヤー曲線)。<br>結論:高齢頭頸部癌患者の治療は,PS不良や並存疾患により妨げられることがあるが,根治治療後の治療成績は非高齢者と比して遜色ない。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 36 (4), 502-506, 2010

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ