側頭下窩再発悪性腫瘍に対する経側頭骨的後外側到達法

DOI
  • 本多 啓吾
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 安里 亮
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 神田 智子
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 渡邉 佳紀
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
  • 辻村 隆司
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Trans-temporal bone posterolateral approach to recurrent malignant tumor in the infratemporal fossa

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抄録

側頭下窩は外科的に到達が難しい領域である。特に再発悪性腫瘍の救済手術では,しばしば古典的アプローチを改変して用いる必要がある。我々は,側頭下窩悪性腫瘍切除後の耳管周囲再発に対して経側頭骨法による救済手術を施行した2症例を報告する。いずれの症例も,再発性の低悪性度腫瘍に対する頭蓋底手術後の再発病巣に,側頭骨亜全摘に準じて経側頭骨的に到達し,一塊切除を達成した。手術においては,内頸動脈周囲の瘢痕組織の剥離が最も難しかった。欠損の充填には遊離腹直筋皮弁が有用であった。本法の利点は,側頭骨亜全摘に準じており再現可能な術式である点と,耳管周囲病巣の一塊切除が可能である点である。本法の欠点は,内耳機能および顔面神経が犠牲となる点である。本法は,側頭下窩への後外側到達法として,耳管周囲に及ぶ側頭下窩再発悪性腫瘍の切除に有用と考えられる。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 39 (3), 305-309, 2013

    日本頭頸部癌学会

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