内頸静脈切除を要する甲状腺乳頭癌

DOI
  • 本多 啓吾
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 安里 亮
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 神田 智子
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
  • 渡邉 佳紀
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
  • 辻村 隆司
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Thyroid papillary carcinoma requiring internal jugular vein resection

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抄録

背景:甲状腺乳頭癌新鮮症例における内頸静脈浸潤に関する知見は少なかった。<br>目的:甲状腺乳頭癌の内頸静脈浸潤の臨床的特徴を明らかとする。<br>対象・方法:2005年4月から2011年3月までに京都医療センターで初回根治手術を行った甲状腺乳頭癌症例に関する診療録調査。<br>結果:175例の採用症例のうち,腫瘍浸潤のために内頸静脈の部分切除あるいは全切除を要した症例(切除群)は8例9側であった。浸潤はいずれも非貫壁性であった。8側が外側区域の転移リンパ節による浸潤で,部位はVI領域が最多(5側)であった。7側で静脈の全切除,2側で部分切除が施行されていた。切除群では非切除群と比較して,原発巣および転移リンパ節による隣接臓器浸潤,腺内多発,高細胞型乳頭癌,外側区域リンパ節転移が有意に高率であった(p<0.05)。<br>結論:甲状腺乳頭癌による内頸静脈浸潤の大部分は外側区域,特に下頸部リンパ節による非貫壁性浸潤である。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 39 (3), 345-349, 2013

    日本頭頸部癌学会

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