書誌事項
- タイトル別名
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- The process and psychological change for decision making on an induced abortion
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説明
人工妊娠中絶した女性40名に,中絶の決定に至るまでの経緯から,心理的変化について調査した.その結果,(1)妊娠の受けとめ(妊娠とわかった時の気持ち),困惑,受容,悲嘆,驚き,継続,羞恥の順に多かった.(2)産むか産まないかの迷いは,未婚者に迷いありか多かった.(3)胎児の命に対しては,悲嘆の気持ち,罪悪感,殺人の思い,子どもに対する謝罪などの思いが述べられた.(4)中絶の決定に関する相読者は,パートナーまたは母親のみの単数が,21名(52.5%),他はパートナー・姉妹・母親・友人と複数に相談していた.(5)相談方法は自分が決定し中絶する意思を伝える「伝達型」と,相手に産むか産まないかを相談して,中絶を決定した「相談型」の2タイプがあった.(6)中絶の決定理由は経済力,相手との関係,学業継続,現在の年齢の認識,自分の責任の順であった.(7)中絶に対する意識は断念,決意,内省,安心,後悔,辛い,罪悪感の順であった.(8)看護者を含む医療者は相談者として,決定に至るまでのサポートは行っていなかった.これらから,中絶の自己決定を支えるために,看護者が心理的変化をふまえた援助の必要性が示唆された.
収録刊行物
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- 女性心身医学
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女性心身医学 5 (2), 190-196, 2000
一般社団法人 日本女性心身医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680201934592
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- NII論文ID
- 110004012524
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- ISSN
- 21897980
- 13452894
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可