睡眠とてんかん発作

書誌事項

タイトル別名
  • Epileptic seizure in sleep
  • スイミン ト テンカン ホッサ

この論文をさがす

説明

<p>【要旨】夜間のてんかん発作は睡眠関連障害と症候学的な鑑別が時に困難である。てんかん発作は覚醒時にも発症することから、発症状況などの問診で鑑別されることが多い。しかし、夜間に発作が集中するてんかんも知られており、てんかん発作の夜間における発生率を知ることは鑑別診断の上で有用である。難治性てんかんの夜間の発作発症頻度を明らかにするため、ビデオ脳波記録(VEEG)を後方視的に解析し、てんかん発作の日内頻度について検討した。</p><p>VEEGを施行した難治性てんかん58例、のべ79回の記録を対象とした。一日を8時間毎に3分割し時間帯毎の発作発症率を検討したが、時間帯による発生頻度に差はなかった。一方で、睡眠中の発作発症率は内側側頭葉てんかん(MTLE)で28%、新皮質てんかん(NCE)で44%と、有意差はないがNCEで高かった(P=0.074, Mann-Whitney U test)。さらに睡眠中では、MTLEで92%、NCEで86%、全体で89%の発作がNREM睡眠期の軽睡眠期(I、II期)に発症していた。またVEEG施行により58例全例でてんかんの確定診断が可能であった。</p><p>難治性てんかんの中でも特にNCEでは、NREM睡眠の軽睡眠期の発作発症頻度が高かった。睡眠中にのみ発症するてんかんの場合、症候や問診だけでは睡眠関連障害との鑑別が困難なこともあるが、VEEGが鑑別診断に有用であった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ