マツノマダラカミキリに残る共生細菌感染の痕跡
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- 相川 拓也
- 独立行政法人森林総合研究所東北支所
書誌事項
- タイトル別名
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- Trace of Symbiotic Bacterial Infection in Japanese Pine Sawyer <I>Monochamus alternatus</I>
- マツノマダラカミキリ ニ ノコル キョウセイ サイキン カンセン ノ コンセキ
- Trace of Symbiotic Bacterial Infection in Japanese Pine Sawyer Monochamus alternatus
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抄録
昆虫類には体内に微生物を宿し, その微生物と共生関係を築いている種が数多く存在する。ボルバキアは昆虫を含む節足動物や線虫類に広く感染している細胞内共生細菌で, 細胞質不和合, 雄の雌化, 雄殺し, 産雌性単為生殖などの方法で宿主生物の生殖機能を操作し, 自らを効果的かつ急速に宿主個体群中に広めてゆく。これまで, マツ材線虫病の病原体であるマツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリからもこのボルバキアの遺伝子が検出されていたことから, マツノマダラカミキリにもボルバキアが感染していることが示唆されていた。ところが, その後の研究によって, ボルバキアがマツノマダラカミキリに感染しているのではなく, ボルバキアの遺伝子だけがマツノマダラカミキリの常染色体上に転移していることが明らかとなった。この事実は, マツノマダラカミキリに感染していたボルバキアは, 自らのゲノムの一部を宿主に残し, その後, 宿主から消え去ったことを示唆している。本稿ではこれまでの研究で明らかにされたマツノマダラカミキリとボルバキアの間の特異的な関係を詳しく紹介するとともに, それらの知見から導かれる今後の研究の方向性についても議論する。
収録刊行物
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- 日本森林学会誌
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日本森林学会誌 94 (6), 292-298, 2012
日本森林学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680204508288
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- NII論文ID
- 130003369348
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- NII書誌ID
- AA12003078
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- ISSN
- 1882398X
- 13498509
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- NDL書誌ID
- 024249247
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可