わが国におけるZarit Burden Interviewの因子構造の検討に関する研究

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  • Research regarding studies of the factor structure of the Zarit Burden Interview

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本研究の目的は,居宅で介護を行っている家族介護者のデータを用いて,Zarit Caregiver Burden Interview (ZBI)日本版評価尺度の因子構造を明らかにし,日本におけるこの尺度の利用について検討することを目的とした。調査村象は,S県O市に在住し,平成14年4月1日現在,要介護認定を受けた第1号被保険者5,189人の要介護高齢者のうち,調査協力が得られたその主介護者1,143人であった。ZBI評価尺度の構造的妥当性を検討するため,探索的因子分析と確証的因子分析を用いてデータを分析した。分析の結果,以下の3つの因子,「個人的な制限感」,「情緒的負担感」と「介護を行う上での義務感」が確認された。さらに確証的因子分析を行った結果,これらの因子を含むと仮定した斜交モデルと2次因子モデルが成立した。しかし,1次因子モデルに関しては,データの適合度指標をみると,このモデルは成立しなかった。確証的因子分析の結果,3つ因子を含む斜交モデルにおいてその妥当性が検証された。このように痴呆性高齢者の家族介護者における介護負担感尺度であるZBIにおいて,その因子構造が明らかにされたことは重要であり,痴呆性高齢者と家族介護者の介護負担感に関する因果関係を明確にする可能性が見出せた。ただし,1次因子モデルは成立しなかったことから,示された3因子については,さらに検討が必要と考えられた。

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