友人間の物の貸借場面にみられる貸主と借主の所有感の変化に関する一考察

  • 小湊 真衣
    早稲田大学大学院人間科学研究科:(現)財団法人田中教育研究所

書誌事項

タイトル別名
  • How does the consciousness of possession change when people lent or borrowed something with his friends?
  • ユウジン カン ノ モノ ノ タイシャク バメン ニ ミラレル カシヌシ ト カリヌシ ノ ショユウカン ノ ヘンカ ニ カンスル イチ コウサツ

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抄録

本実験調査の目的は、友人間で行われる物の貸し借り場面において、「対象物をどの程度自分のものだと思うか(所有感)」がどのように変化するかを検討することであった。大学および専門学校の学生486名(男性196名・女性290名、平均年齢20.38歳)を対象としたシナリオ式質問紙実験を行い、(1)友人に(本・ボールペン・ノート)を貸して(2・3日、10日、1ヶ月、1年、5年)が経過した場合、貸与物をどの程度自分の物だと感じるか、(2)友人から(本・ボールペン・ノート)を借りて(2・3日、10日、1ヶ月、1年、5年)が経過した場合、借用物をどの程度自分の物だと感じるか、(3)(1)の場合においてどの程度その貸与物の返却を催促しやすいか、(4)(2)の場合においてその借用物をどの程度返さなくてはならないと感じるか、を尋ねた。その結果、物を貸している期間が長くなるほど、その物に対する貸し手の所有感は減少し、借り手の所有感は増加する可能性が示唆された。また、返却に対する意識や催促に対する意識も貸し借りを行う中で変化していく可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 法と心理

    法と心理 10 (1), 110-122, 2011

    法と心理学会

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