面接者の誘導が繰り返しの 写真識別判断に与える影響

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書誌事項

タイトル別名
  • The effect of a suggestive interviewer on the performance of repeated eyewitness showup identifications
  • ─「わからない」判断を用いた検討
  • A study using a DON’T KNOW option.

抄録

本研究は単独面通し識別手続きの繰り返しに及ぼす面接者の誘導の影響を、「わからない」判断の 導入によって抑制可能かどうか検討した。57 名の参加者は実験室で財布が盗まれる模擬犯罪場面 を目撃し、面接を2 回受けた。面接にはそれぞれ2 回単独面通し識別手続きが含まれており、面接 者は誘導的な面接者と、誘導的でない面接者に分けられていた。単独面通し手続きでは、参加者は 人物写真を見せられ、写真の人物が目撃した人物であるかどうか、「はい」、「いいえ」、「わからな い」の3 つから選択した。呈示された写真の人物は財布を盗んだ人物ではなかったため、「はい」判 断は誤識別、「いいえ」判断は正棄却となっていた。誘導あり条件では、「はい」判断を選んだ参加者 が「いいえ」判断と「わからない」判断を選んだ参加者より有意に多かったのに対して、誘導なし条件 では「いいえ」判断と「わからない」判断が「はい」判断より有意に多かった。このことは、「わからな い」判断を導入しても面接者の誘導による誤識別が抑制されないことを示している。さらに、誘導 あり条件の参加者は、誘導なし条件に比べて最初の識別を維持する傾向があった。この結果は記憶 の同調理論によって解釈し、考察にて議論する。

収録刊行物

  • 法と心理

    法と心理 16 (1), 100-111, 2016

    法と心理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680209210112
  • NII論文ID
    130006321781
  • DOI
    10.20792/jjlawpsychology.16.1_100
  • ISSN
    24241148
    13468669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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