人間ドツクにおける看護師の役割について

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タイトル別名
  • Roles of Nurses in Ningen Dock
  • 人間ドックにおける看護師の役割について
  • ニンゲン ドック ニ オケル カンゴシ ノ ヤクワリ ニ ツイテ

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説明

目的:これまで人間ドックに勤務する看護師の業務内容についての具体的な調査はほとんど行われていない.本研究では,人間ドックに勤務する看護師の業務内容と本来行うべきであると考えている業務内容を明らかにすることを目的とした.対象および方法:2003年4月時点の社団法人日本病院会一日人間ドック指定病院284施設の看護師全員を対象とした.各施設の看護師長宛てに調査票を送付し,看護師全員に記載を依頼した.設問は,回答者及び健診施設のプロフィール,勤務の経緯,過去の主な職場,現在の業務,必要な業務など26項目である.全ての業務内容について,現在実施していると回答した数に対する本来行うべきであると回答した数からオッズ比と95%信頼区間を算出した.結果:284施設のうち有効回答が得られた148施設の877人を対象とした.年齢階級別では30歳代(39%),現在の職場への勤務の経緯では他の医療機関からの転職(54%),過去の主な職場は病棟(66%)がそれぞれ最も多かった.現在実施していると回答した数に対する本来行うべきであると回答した数から算出したオッズ比が有意に1を越えたのは,健康教室と保健・生活指導の2項目であった.電話相談,渉外活動および下部消化管内視鏡検査介助の3項目のオッズ比は有意ではなく,上部消化管内視鏡検査介助など11項目はオッズ比が有意に1よりも小さかった.結論:人間ドックに勤務する看護師が現在実施している業務としては,採血・注射・血圧測定,検査への誘導,婦人科診察介助,問診聴取および内科診察介助などが多かったが,今後は健康教室や保健・生活指導の重要性が高まるのではないかと考えられた.人間ドックで勤務する看護師には従来からの業務である「診療の補助」に加えて保健・生活指導などの保健師業務や渉外活動など幅広い業務に対応できることが求められると推察された.今後は健診施設の管理者側の意見も調査する予定である.

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参考文献 (11)*注記

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