ハス田に敷設された防鳥ネットに羅網した野鳥の被害状況と防鳥ネット敷設が鳥類の生息に与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • Status of avian mortality by bird nets to keeping birds from feeding cultivated lotus and effects to living birds by nets

この論文をさがす

説明

レンコン栽培が盛んな茨城県下のハス田で,レンコン食害を防ぐための防鳥ネットに,コガモ Anas crecca,ヒドリガモ A. Penelope,オオバン Fulica atar など,多くの野鳥が羅網して落鳥する事態が続いている.防鳥ネットが多く敷設されている霞ヶ浦湖岸のハス田で,2010 年から2011 年にかけての冬期に5回の調査を行なった.その結果,羅網鳥は15種が記録され,種の識別ができなかったものも含め,のべ185羽の落鳥が記録された.防鳥ネットの天井面積を1haに換算すると,1日の調査では7.5 ± 1.8 羽が記録された.マガモ属は主に翼を引っかけて羅網し,オオバンは主に足を引っかけて羅網していた.コガモの羅網はレンコン収穫前のハス田でより多く記録されたが,オオバンの羅網はレンコン収穫後のハス田で多かった.種の識別ができたのべ145羽の羅網落鳥個体のうち,98羽は同じネットで連続的に記録されず,確実に 1 か月以内にネットから消失していた.生息している鳥類は25種が記録された.サギ類,シギ・チドリ類は防鳥ネットの敷設されたハス田にはわずかな出現かあるいは全く出現せず,防鳥ネット敷設により生息にマイナスの影響を受けていた.スズメ目のハクセキレイ,セグロセキレイ,タヒバリ,ツグミは防鳥ネットの有無に関わりなく記録され,防鳥ネットは生息の障害となっていないと考えられた.

収録刊行物

  • Bird Research

    Bird Research 8 (0), A11-A18, 2012

    特定非営利活動法人バードリサーチ

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680210511872
  • NII論文ID
    130002074938
  • DOI
    10.11211/birdresearch.8.a11
  • ISSN
    18801595
    18801587
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ