1秒量から算出された新しい指標である肺年齢についての検討

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タイトル別名
  • Study on Lung Ages Calculated from One-second Forced Expiratory Volumes
  • 1ビョウリョウ カラ サンシュツ サレタ アタラシイ シヒョウ デ アル ハイ ネンレイ ニ ツイテ ノ ケントウ

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抄録

目的:1秒量より算出された肺年齢の特性を明らかにし,その問題点についても検討する.<br>方法:平成20年度に人間ドックを受診し呼吸機能検査を受けた9,123人を対象とし,喫煙群,禁煙群,非喫煙群に分け,呼吸機能,肺年齢,肺年齢差(肺年齢-実年齢),炎症所見を比較検討するとともに,「COPD疑い」を判別する肺年齢差の至適カットオフ値を検討した.また,重度喫煙者を対象として,肺年齢差(+)群 と肺年齢差(-)群の差について検討した.<br>結果:喫煙群・禁煙群の7.5%,非喫煙群の2.0%に「COPD疑い」を認めた.高感度CRPは喫煙群が0.099±0.206 mg/dL,禁煙群が0.094±0.199 mg/dLで,両者とも非喫煙群の0.075±0.167 mg/dLと比べ有意に高かった(p<0.001)が,喫煙群と禁煙群の両者間では差がなかった.「COPD疑い」を判別する肺年齢差の至適カットオフ値は16.6歳であった.重度喫煙者の約17.5%は肺年齢差(-)群に属し,この群は肺活量が大きく,炎症所見がより軽度であった.<br>結論:肺年齢差は喫煙歴と関連しており禁煙指導において重要な役割を果たすことが期待されるが,多くのタバコを吸っていながらも肺活量が大きく炎症反応の低い人は肺年齢が若く算出されることから,注意すべきである.また,喫煙者の炎症は禁煙しても持続する可能性が示唆された.<br>

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