人間ドックでの全大腸内視鏡検査にて発見された大腸腫瘍の検討 -どのような受診者に全大腸内視鏡検査を勧奨すればよいのか?-

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タイトル別名
  • Clinical Study on Colorectal Neoplasm Discovered by Total Colonoscopy in Ningen Dock
  • ニンゲン ドック デ ノ ゼン ダイチョウ ナイシキョウ ケンサ ニテ ハッケン サレタ ダイチョウ シュヨウ ノ ケントウ ドノ ヨウ ナ ジュシンシャ ニ ゼン ダイチョウ ナイシキョウ ケンサ オ カンショウ スレバ ヨイ ノ カ

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抄録

目的:人間ドックで全大腸内視鏡検査(以下TCF)をどのような受診者に勧奨すべきかを明らかにする.<br>方法:2003年から2007年までの当院人間ドック受診者3,055例中TCFを選択した304例を対象とした.大腸がんと大腸ポリープを含む大腸腫瘍の発見率に関して便潜血検査とTCFで比較し,また大腸腫瘍を有する症例の臨床的指標と危険因子について検討した.臨床的指標として,年齢,家族歴,既往歴,喫煙歴,飲酒歴に加えて高血圧,糖尿病,脂質異常症,高尿酸血症,BMIについて大腸腫瘍との関連性を多重ロジスティック回帰分析による多変量解析を用いて検討した.<br>成績:便潜血検査によって大腸がんは4例中2例(進行がん1例含む)に陽性であったが,早期がん2例は陰性であった.また,臨床的指標については,大腸腫瘍の既往歴と飲酒歴のみが独立した危険因子として抽出された.また,肥満,高血圧,脂質異常症,高尿酸血症,家族歴,50歳以上,喫煙などの生活習慣病の構成因子を複数有する症例において有意に大腸腫瘍の有病率が高かった.<br>結論:大腸がんや大腸ポリープの既往がある者,飲酒歴を有する者に加えてメタボリックシンドロームの構成因子である肥満,高血圧,脂質異常症と家族歴,高尿酸血症,年齢(50歳以上),喫煙の中から2個の因子を有する者に関しては,人間ドックにおいてTCFによる大腸腫瘍のスクリーニングを行うことを勧めてよいものと考えられた.

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参考文献 (11)*注記

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