軽度尿酸値異常者に対するセルフケア型保健指導の効果

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タイトル別名
  • Effectiveness of Health Guidance Focusing on Self-care for Subjects with Hyperuricemia
  • ケイド ニョウサンチ イジョウシャ ニ タイスル セルフケアガタ ホケン シドウ ノ コウカ

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抄録

目的:特定保健指導プログラムでは,受診者自らが行動変容の方向性を導き出せるような支援が求められているが,現状ではこのような保健指導による生活習慣と検査値の改善効果は明らかではない.高尿酸血症は肥満,高血圧,糖・脂質代謝異常などの合併も高い疾患であり,軽度異常者に対する第一選択は,生活指導とされている.そこで,セルフケアに重点をおいた保健指導への参加有無による軽度尿酸値異常者の生活習慣ならびに検査値の変化につき検討した.<br>方法:某事業所職員で2000~2007年に健康診査を受けた者のうち,高尿酸血症により要生活指導(合併症なしの場合は尿酸値7.0~8.9mg/dL,ありの場合は7.0~7.9 mg/dL)となったものを対象とし,保健指導の参加有無別に1年後の生活習慣,検査結果を比較した.<br>結果:検査結果が得られた男性272名のうち,保健指導を受けたものは91名であった.1年後に尿酸が正常値化したものは118名で,その割合は参加群に有意に高かった.尿酸値は参加群,非参加群とも低下したが,その程度は参加群に有意に大きかった.喫煙,運動習慣の改善率には両群で差を認めなかったが,毎日飲酒者は参加群で減少し,γ-GTPの増加傾向は参加群で小さかった.<br>結論:今回の解析から,対象とした事業所で行われてきたセルフケアに重点をおいた保健指導は高尿酸血症の改善に有用であることが示唆された.

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