食道造影検査における開口法・非開口法の描出能の比較検討

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タイトル別名
  • Comparison of Visibility in Esophagography by the Open and Non-open Methods
  • ショク ドウゾウ エイ ケンサ ニ オケル カイコウホウ ヒカイコウホウ ノ ビョウシュツノウ ノ ヒカク ケントウ

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抄録

目的:早期食道がんの発見には,微細な粘膜癌の描出が必要で,各施設,撮影方法に様々な工夫をしていると思われる.当施設では顎を上げ,造影剤・空気を同時に飲用する方法(以下,開口法)を以前行っていたが,誤嚥する受診者がたびたび見られた.現在は通常に飲用し,タイミングよく撮影する方法(以下,非開口法)を行っている.そこで,開口法・非開口法の画像評価の比較検討を行った.<br>対象と方法:開口法・非開口法をともに施行した同一症例573例を対象とした.造影剤付着能・粘膜描出能・気泡形成の有無(各々上部・下部)・噴門描出能の評価を3段階で行いスコア化した.合計21点を満点とし,総合評価:良:21~17点,可:16~12点,不可:11~7点の3段階に分け総合評価を行った.<br>結果:粘膜描出能では食道下部で不可と判定された例は開口法17例(3.0%)・非開口法5例(0.9%)と非開口法が有意に低かった.気泡形成の有無で良と判定されたのが,開口法165例(28.8%)・非開口法212例(37.0%)と非開口法が有意に高かった.総合評価で良と判定された例は開口法277例(48.3%)・非開口法316例(55.2%)と非開口法が画像評価に優れていた.<br>結論:従来,開口法は粘膜描出能向上の手技のひとつとして認識していたが,今回の結果から非開口法が画像評価に優れていると評価された.<br>

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