OGTTで正常型と判定された症例のインスリン動態について

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タイトル別名
  • Insulin Secretory Response to Oral Glucose in Subjects with Normal Glucose Intolerance
  • OGTT デ セイジョウガタ ト ハンテイ サレタ ショウレイ ノ インスリン ドウタイ ニ ツイテ

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目的:血糖が正常でもインスリン(IRI)の初期分泌が不良な患者は糖尿病に進展しやすいといわれている.今回75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)が正常型でもIRI初期分泌低下があり潜在的に糖尿病発症のリスクをもつ症例の臨床背景を検討するために,OGTT正常型症例でのIRI動態,特にIRIpeak値の遅延がどのような因子と関連あるかにつき検討した.<br>対象と方法:OGTTを施行した人間ドック受診者1,036名のうち,OGTTが正常型であった680症例のIRI動態を検討した.IRIpeak値が負荷後30分である場合をIRI分泌正常型,IRIpeak値が負荷後60分以降である場合をIRI分泌遅延型とした.<br>結果:IRIpeak値に対応する反応時間は,IRI分泌正常型が280人(41.2%)に対し,IRI分泌遅延型は400人であり,全体の58.8%を占めた.IRI分泌遅延型を来す要因としては,「空腹時血糖(FPG),インスリン抵抗性(HOMA-IR),OGTT1時間値(1h-PG)が高い」,「insulinogenic index(I.I.)が低い」という因子がp<0.001で有意差を示した.<br>結語:OGTTが正常型と判定された場合であっても,すでにIRI動態に異常が認められ分泌遅延を認めるケースがみられた.IRI分泌遅延が認められる症例はFPG,HOMA-IR,1h-PGが高く,I.I.が低いという特徴を示した.IRIpeakが遅延する症例は糖尿病になりやすい可能性があると考えられた.

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参考文献 (23)*注記

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