非アルコール性脂肪肝における高脂血症,高血圧,空腹時高血糖の合併とインスリン抵抗性の検討

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タイトル別名
  • Evaluation of Hyperlipidemia, Hypertension, and Fasting Hyperglycemia as Complications of Non-alcoholic Fatty Liver Disease and Insulin Resistance
  • ヒアルコールセイ シボウカン ニ オケル コウシケツショウ コウケツアツ クウフクジ コウケットウ ノ ガッペイ ト インスリン テイコウセイ ノ ケントウ

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抄録

目的:当院一泊人間ドック受診者の非アルコール性脂肪肝の実態を把握し今後の生活指導の指標にする目的で,アルコール摂取量1日平均1合以下の非脂肪肝,脂肪肝において,脂質代謝異常,血圧高値,空腹時高血糖の合併とインスリン抵抗性について検討した.方法:2005年4月から9月の当院一泊人間ドックを受診した862例中,HBs抗原・HCV抗体陽性者,アルコール摂取量1日平均1合以上の飲酒者を除く522例を対象とした.結果:非脂肪肝に比して脂肪肝では,HDLコレステロール(HDL-C)以外の今回検討したすべての項目で有意に高く,HDL-Cでは有意に低値であった.脂肪肝の中では,肝機能正常の脂肪肝に比し肝機能異常を伴った脂肪肝では,空腹時immunoreactive insulin(IRI),homeostasis model of insulinresistance(HOMA-IR)ともに有意に高値であった.脂質代謝異常,血圧高値,空腹時高血糖などの危険因子の中では,非脂肪肝と肝機能正常の脂肪肝で最も差が大きいのは空腹時高血糖で2.5倍であった.結論:非アルコール性脂肪肝では動脈硬化の危険因子の合併が高率にみられた.特に肝機能異常を伴った脂肪肝ではインスリン抵抗性が高い割合が高く,インスリン抵抗性を指標とし,それを改善するような運動療法を中心とした生活指導を行っていく必要があると考えられた.

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