HbA1c5.6~6.4%かつFPG100~125mg/dLの糖尿病前症は糖尿病発症の高リスク群

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タイトル別名
  • Prediabetes Individuals with HbA1c 5.6 - 6.4% and Fasting Plasma Glucose 100 - 125mg/dL at High Risk of Incident Diabetes
  • HbA1c5.6~6.4%カツ FPG100~125mg/dL ノ トウニョウビョウ ゼン ショウ ワ トウニョウビョウ ハッショウ ノ コウリスクグン

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説明

目的:糖尿病前症におけるHbA1cの位置付けについてはいまだに意見の一致をみていない.糖尿病前症におけるHbA1cの意義を検討した.<br>方法:2007年から2010年までに高岡健康管理センターを一日ドックとして受診し,以前に糖尿病を指摘されていないFPG 125mg/dL以下でかつHbA1c値6.4%以下の4,698名を対象とした.2016年まで後ろ向きに観察した.観察開始時,FPG 99mg/dL以下でHbA1c値5.5%以下をN群,FPG100~125mg/dLでHbA1c値5.5%以下をA群,FPG 99mg/dL以下でHbA1c値5.6~6.4%をB群,FPG 100~109mg/dLでHbA1c値5.6~5.9%をa群,FPG 100~109mg/dLでHbA1c値6.0~6.4%をb群,FPG 110~125mg/dLでHbA1c値5.6~5.9%をc群,FPG110~125mg/dLでHbA1c値6.0~6.4%をd群の7群に分類した.糖尿病の発症は,FPG 126mg/dL以上でかつHbA1c値6.5%以上または医師に糖尿病と診断されたものとした.<br>結果:平均観察期間は6.4年であった.ROC曲線より求めた糖尿病進展予測する最適のカットオフ値はHbA1c,FPGそれぞれ5.65%,103mg/dLであった.Cox比例ハザードモデルでは,年齢,性別,糖尿病の家族歴,喫煙,飲酒,高血圧の有無,BMI,20歳より体重が10㎏増加の有無,1日1時間以上歩行または同等の体を動かしているかで調整後の糖尿病発症ハザード比はN群1,A群2.87(p=0.08),B群8.26(p<0.002),a群11.26(p<0.0001),b群52.12(p<0.0001),c群49.00(p<0.0001),d群99.95(p<0.0001)であった.<br>結論:HbA1cはFPGと組み合わせると糖尿病進行の予測に大きな意義がある.

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