胸部要精密検査判定の現況と呼び出しシステムの活用

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  • 木村 達郎
    大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学
  • 福本 真也
    大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学
  • 森川 浩安
    大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学
  • 中野 朱美
    大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学
  • 田中 史生
    大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学
  • 森崎 珠実
    大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学
  • 河田 則文
    大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学 大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学
  • 平田 一人
    大阪市立大学大学院医学研究科 先端予防医療学 大阪市立大学大学院医学研究科 呼吸器内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Current Status and Future Prospects for System Calling Examinees to Have Further Lung Cancer Screening
  • キョウブ ヨウ セイミツ ケンサ ハンテイ ノ ゲンキョウ ト ヨビダシ システム ノ カツヨウ

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説明

目的:胸部単純X線検査は肺疾患,特に肺がんのスクリーニング検査として検診や健診において重要である.その一方で,胸部単純X線検査には診断の限界があり,陳旧性肺結核などの病変がある場合,肺がんの指摘が困難な場合もある.当施設では有所見者に対する積極的受診勧告を行っており,今回はその有効性について検討した.<br>方法:2015年1月1日から1年間に,胸部単純X線検査を施行した5,603例の胸部D2判定者(要精密検査)の画像所見の内訳,最終診断病名,発見率を検討した.<br>結果:D2判定者は230例(4.1%),呼び出しシステムにより197例(85.7%)に電話にて受診勧告を行った.また,32例(13.9%)に対して健診当日に胸部X線検査に異常ありと説明した.174例(75.7%)が当施設にてCT検査を施行した.肺野陰影は156例(89.7%),そのうち結節影は106例,すりガラス陰影は17例であった.経過観察必要な陰影は20例,4例が肺がんと診断された.肺がん発見率は0.07%であった.集積症例の肺がん存在期待値は3.93人であり,標準化発見比は1.02であった.<br>結論:当施設における胸部単純X線検査にてD2判定となった症例の実態と呼び出しシステムの有効性を明らかにした.当施設のような最終診断,治療まで可能な施設では再受診率が高い傾向にあり,二次予防として肺がんの早期発見,早期治療に有効であると考えられた.

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