チンパンジーの人工保育とエンターテイメント:動物福祉・保全と将来展望
書誌事項
- タイトル別名
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- Hand rearing of captive chimpanzees: past, present and future, towards limiting this practice to promote animal welfare and conservation
- チンパンジー ノ ジンコウ ホイク ト エンターテイメント : ドウブツ フクシ ・ ホゼン ト ショウライ テンボウ
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抄録
<p>母子分離は心身の健全な発達を妨げることが知られてきた。特に大型類人猿など、成育期間が長く幼少期の母子の結びつきが強い動物種においては影響が大きい。実際に人工保育されたチンパンジーは交尾や子育て行動が適切に発現できない、社会行動が変容するなど一生を通じた影響がみられる。そのため動物福祉・保全の観点から、不必要な人工保育は避けるべきである。またたとえ人工保育をおこなったとしても、できる限り早く群れに戻すことが必要であり、そうした事例が蓄積されている。しかしエンターテイメントショーには母子分離や人工保育を助長しやすい問題点が存在し、さらに動物の正しい理解が伝わらない問題点が指摘されている。今後、科学的な知見をもとにしたチンパンジーに適した飼育管理を推進するためには、人工保育やその後の群れ復帰などに関する基準の議論や施設間が連携して問題解決にあたれるような体制づくりなどが重要である。</p>
収録刊行物
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- 日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌
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日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 52 (2), 73-84, 2016
動物の行動と管理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680235603200
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- NII論文ID
- 130006898291
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- NII書誌ID
- AA12018166
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- ISSN
- 24241776
- 18802133
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- NDL書誌ID
- 027497429
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可