タイ国およびベトナム南部の蝶の記録

書誌事項

タイトル別名
  • Notes on the butterflies of Thailand and southern part of Vietnam
  • タイ国およびベトナム南部の蝶の記録〔英文〕
  • タイコク オヨビ ベトナム ナンブ ノ チョウ ノ キロク エイブン

この論文をさがす

説明

Parantica sita melanosticta ssp. n.アサギマダラ:タイ国東南部,ベトナム南部産♂に基づきアサギマダラの新亜種を記載した.新亜種は一見P. pedongaに似るが,後翅性標は第2脈に達する(pedongaでは1b室の褶で終わる).他亜種との区別点は:1)前翅中室上部の前縁は幅ひろく黒色.2)前翅中室に2条の黒条をもつ.3)後翅中室周辺の脈は幅ひろく栗赤色.4)浅黄色部は暗色を帯び,狭い. Le the matajaオオシロオビクロヒカゲ:台湾特産種とされていたが,冬季にタイ国北部で1♀が採集された. Polygonia c-album asakuraiシータテハ:旧北系のシータテハがやはり冬季にタイ国北部で2♂採集された.中国,チベットの亜種よりも台湾産によく似ているので,とりあえず上記台湾亜種に含めた. Tongeia ion:Pinratana(1981)のタイ国蝶類図説Butterflies in Thailand第4巻シジミチョウ篇,第7図版figs 21,22に"Shijimia moorei ssp." [ゴイシツバメシジミ]として図示されている個体を検した結果,中国西部を主産地とする上記の種にほかならぬことが判明した.この名称がタイ国産蝶に適用されるのは本報が最初となる.チェンマイ近傍産.この報文をまとめるにあたり,手束喜洋氏,木村勇之助氏およびBro A. Pinratanaの各氏より貴重な資料を提供していただいた.上田恭一郎博士には北九州市立自然史博物館所蔵標本の撮影をお願いした.上記各位に心からお礼申し上げる.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 45 (2), 121-123, 1994

    日本鱗翅学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ