書誌事項
- タイトル別名
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- Cuticular hydrocarbons of larva and pupa of Reverdin's blue, Lycaeides argyrognomon (Lycaenidae) and its tending ants
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抄録
ミヤマシジミの幼虫や蛹は数種のアリと任意的な共生関係を築いており,山梨県ではクロヤマアリ,クロオオアリ,エゾアカヤマアリ,アミメアリなどが随伴アリとして観察されている.我々はミヤマシジミとアリとの共生関係を制御する要因を明らかにすることを目的とし,3齢・4齢幼虫や蛹の体表炭化水素(CHC)の化学組成について,上記随伴アリの組成と共に調べた.幼虫は,齢や随伴アリの種類に関わらず一定のCHCプロフィールを示した.その主成分はC27,C29を主成分とする直鎖アルカンであり,副成分は分枝アルカンであった.蛹も幼虫と同じCHCを持っていた.一方,4種の随伴アリは識別可能で種特異的なCHCプロフィールを示した.クロオオアリとクロヤマアリのCHCはC27,C29の直鎖アルカンとアルケンを主成分にしており,エゾアカヤマアリとアミメアリのCHCはC25,C27,C29,C31の直鎖アルカンであった.以上の結果からミヤマシジミは,数種のゴマシジミ族が利用することで知られるCHCの化学擬態とは異なる機構を用いて働きアリの攻撃を回避すると考えられる.
収録刊行物
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- 蝶と蛾
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蝶と蛾 60 (3), 203-210, 2009
日本鱗翅学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680243316224
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- NII論文ID
- 110007482599
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- NII書誌ID
- AN0040888X
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- ISSN
- 18808077
- 00240974
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- NDL書誌ID
- 10454774
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可