タイ国からのササベリガ科Sinicaepermeniaに属する1新種

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タイトル別名
  • A new species of Sinicaepermenia (Lepidoptera, Epermeniidae) from Thailand

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抄録

属Sinicaepermeniaは,Heppner (1990)により台湾からの種(taiwanella)に基づき創設されたが,その後本属の新しい種は発見されていない.我国の中部空港および成田空港で数年前から,植物防疫所の植物防疫官による輸入野菜の検査に際し,タイ国産のアマメシバ Sauropus androgynus(トウダイグサ科)の葉から体長5-7mmの淡緑褐色の幼虫が見つかり,それらを飼育して開張9mm内外の小蛾を得たが,その正体は不明であった.今回Sinicaepermeniaに属する新種S. sauropophaga sp. nov. アマメシバササベリガ(新称)として記載した.本種の幼虫は,幼齢期には新しい枝や新芽に潜入しトンネルを作り組織を食べているが,成長すると孔から脱出し,葉を綴って暫く食べ、やがて葉間に絹糸を張って繭を作る.本種の翅脈相はSinicaepermenia属のタイプ種のものとは違いがあるが,雄交尾器のバルバの基部に近い上縁部が瘤状に突出し,長く太い2本の剛毛があるのが本属の特徴であるので,これに属すると考えた.なおアマメシバのタイ国における栽培地としてはサラブリーが知られるが,本種の発生地はまだ特定されていない.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 59 (2), 149-153, 2008

    日本鱗翅学会

参考文献 (1)*注記

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