スジモンオオヒロズコガ(鱗翅目,ヒロズコガ科)の成虫と幼生期の形態

  • 長田 庸平
    Entomological Laboratory, Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental Sciences, Kyushu University
  • 坂井 誠
    Kyosei-Kagaku
  • 広渡 俊哉
    Entomological Laboratory, Faculty of Agriculture, Kyushu University

書誌事項

タイトル別名
  • Morphology of adult and immature stages of Amorophaga japonica Robinson, 1986 (Lepidoptera, Tineidae)

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抄録

スジモンオオヒロズコガ.Amorophaga japonica Robinson,1986は日本(本州,九州)や中国(福建省,広東省,江西省,浙江省)に分布し,幼虫の寄主はサルノコシカケ科のヒトクチタケが知られる.Robinson(1986)によって雄交尾器が,Yang and Li(2013)によって雌交尾器が図示されたが,幼生期の記載は行われていなかった.そこで,筆者らは本種の雌雄交尾器や翅脈を図示し,初めて幼虫・蛹形態の記載を行った.なお,本種を初めて四国から記録した.本種の幼虫はヒトクチタケの子実体の内部を穿孔し,その子実体の内部や隙間に繭を形成し,その中で蛹化する.そして,子実体の外側に蛹の前方部を突き出して羽化する.本属を含むオオヒロズコガ亜科の幼虫は,前胸のL刺毛群が2本である特徴を有する.また,本種は同亜科のScardia属やMorophaga属と同様に前胸にV1を有すが,Morophagoides属はこれを欠く.前胸のV1の有無はオオヒロズコガ亜科内で重要な形質である可能性があるが,今後さらに調査する必要がある.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 66 (3-4), 120-128, 2015

    日本鱗翅学会

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