アサギマダラ幼虫の人工飼料による飼育

  • 平井 規央
    Entomological Laboratory, Graduate School of Agriculture and Biological Sciences, Osaka Prefecture University
  • 石井 実
    Entomological Laboratory, Graduate School of Agriculture and Biological Sciences, Osaka Prefecture University

書誌事項

タイトル別名
  • Rearing larvae of the chestnut tiger butterfly, Parantica sita (Kollar) (Lepidoptera, Danaidae), on artificial diets

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抄録

アサギマダラParantica sitaを市販の原体(日本農産工業社(株)製インセクタF-II)にイケマCynanchum caudatum,ガガイモMetaplexis japonica,キジョランMarsdenia tomentosa(ガガイモ科)の乾燥葉粉末を30%または10%加えた5種類の人工飼料で飼育した.すべての人工飼料で成虫が羽化したが,イケマ10%区およびガガイモ10%区では,キジョラン生葉(対照区)と比較して幼虫期間が長かった.また,イケマ30%区,イケマ10%区およびガガイモ10%区の人工飼料では対照区と比較して幼虫期の死亡率が高く,さらに,イケマ30%区では翅が正常に伸びない個体の割合が対照区よりも高かった.ガガイモ30%区およびキジョラン30%区では,幼虫期間,死亡率,成虫のサイズは対照区と有意差はなく,入手の容易さを考慮すると,ガガイモを利用した人工飼料が本種の大量飼育にもっとも適していると考えられる.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 52 (2), 109-113, 2001

    日本鱗翅学会

参考文献 (18)*注記

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