TACOの予防:週末TACOとIsovolemic Transfusion

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  • PREVENTION OF TRANSFUSION-ASSOCIATED CIRCULATORY OVERLOAD (TACO): SPECIAL FOCUS ON "WEEKEND TACO" AND "ISOVOLEMIC TRANSFUSION"

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説明

<p>輸血関連循環過負荷(TACO)は1985年にPopovskyが,赤血球(RBC)輸血では稀な事象ではないことを報告して以来,医療者への教育の重要性が強調されてきた.2012年,血液事業本部は輸血副作用報告に基づくTACO症例の検討を開始し,TACOは抗がん剤による心抑制状態や慢性貧血に対する輸血で発生しやすいことを注意喚起した.一方,福岡県赤十字血液センターでは,TACOは週末に多いとの認識があった.そこで,血液事業本部が2015年までにTACOと評価した162例について検討した.162例のTACO発生曜日は,月曜から順に17,26,28,27,32,22,10例で,RBC供給量は週末に向けて減少することから,土曜のTACO/RBC比率は月曜の3.5倍になった(p<0.01).週末にTACOが発生しやすいことは想像し得ることであり,「週末TACO」という言葉で注意喚起を促したい.また,臨床医は輸血で上昇するヘモグロビン値には注目するが,同時に投与する水分への関心は低い.輸血は明らかに水分負荷であり,TACOの予防には輸血前に患者の状態を把握し,その背景と病状によっては利尿剤を使用して負荷した水分を積極的に排泄することが重要である.そこで,輸血前後で体内の水分バランスを同等に保つことを「Isovolemic Transfusion」と表現して更なる注意喚起としたい.</p>

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