後天性慢性赤芽球癆に対するABO血液型一致同胞間骨髄移植後も赤血球造血のみ遅延した1例

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タイトル別名
  • A CASE OF DELAYED ERYTHROPOIESIS AFTER BONE MARROW TRANSPLANTATION FROM AN ABO-COMPATIBLE SIBLING DONOR FOR ACQUIRED CHRONIC PURE RED CELL APLASIA

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説明

<p>後天性慢性赤芽球癆の多くは自己免疫的機序が関与しており,免疫抑制療法が有効であるが,難治例や再発例に対する治療は難渋することがある.今回,後天性慢性赤芽球癆に対してHLA一致同胞間骨髄移植を行った.症例は36歳,女性.びまん性全身性強皮症を合併した赤芽球癆と診断され,シクロスポリンによる治療が無効であったため,HLA一致およびABO血液型一致の実妹より骨髄移植を施行した.移植後の好中球と血小板の回復は速やかであったが,赤血球造血のみ遅延し,移植後2カ月以上も網状赤血球は回復せず,赤血球輸血依存の状態が続いた.末梢血T細胞は,移植後50日以上ドナー由来60~70%と混合キメラが持続したため,day64とday85にドナーCD3陽性T細胞をそれぞれ1.10×107/kg,3.30×107/kg輸注した.その後,ドナーキメリズム回復とともに赤血球造血回復も得られた.難治性赤芽球癆に対して同種骨髄移植は有効ではあるが,ドナー完全キメラ達成が赤芽球癆の治癒に重要である.</p>

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