急性期脳出血における摂食・嚥下障害の検討

  • 前島 伸一郎
    埼玉医科大学国際医療センターリハビリテーション科
  • 大沢 愛子
    埼玉医科大学国際医療センターリハビリテーション科
  • 棚橋 紀夫
    埼玉医科大学国際医療センター神経内科・脳卒中内科

書誌事項

タイトル別名
  • Eating and Swallowing Problems in Patients with Acute Cerebral Hemorrhage
  • キュウセイキ ノウシュッケツ ニ オケル セッショク ・ エンカ ショウガイ ノ ケントウ

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抄録

急性期脳出血における摂食・嚥下障害の頻度や,出血部位,血腫量との関連について検討した.対象は急性期脳出血447 名で,出血部位は被殻183 名,視床119 名,小脳30 名,脳幹25 名,皮質下90 名であった.初回ベッドサイド嚥下機能評価(BSA)として,反復唾液嚥下テストと改訂水飲みテストを施行し,嚥下障害を疑う129 名には嚥下造影検査を施行した.その結果,初回BSAにおいて447 名中289 名(64.7 %)で異常を認めた.摂食・嚥下障害は被殻出血に最も多く,出血部位や血腫量で差を認めた.初回BSAで異常を認めなかった患者のほとんどは,急性期病院の退院時に常食を摂取できたが,初回BSAで異常を認めた患者が常食となることは稀であり,経管栄養のまま転院となることが多かった.以上より,脳出血による摂食・嚥下障害は決して稀ではなく,とくに急性期における早期介入が必要である.

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参考文献 (24)*注記

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