足圧中心軌跡を利用して歩行練習及び装具作製を実施し歩行自立に至った症例

  • 中野 克己
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 医療局 リハビリテーション部 理学療法科

書誌事項

タイトル別名
  • 症例検討 足圧中心軌跡を利用して歩行練習及び装具作製を実施し歩行自立に至った症例
  • ショウレイ ケントウ ソクアツ チュウシン キセキ オ リヨウ シテ ホコウ レンシュウ オヨビ ソウグ サクセイ オ ジッシ シ ホコウ ジリツ ニ イタッタ ショウレイ

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抄録

【目的】脳梗塞により右片麻痺を呈し,歩行に介助が必要な50歳代男性に対して,歩行中の足圧中心軌跡を利用して歩行練習,装具の作製を行った。【方法】入院時から2週間後,6週間後,14週間後の足圧中心軌跡を求め,歩行練習を実施した。歩行解析にはリアルタイム足圧計測システムを使用した。14週間後には,さらに継手付短下肢装具を想定し下腿ベルトをはずしたプラスチック短下肢装具の足圧中心軌跡を計測し,本人用装具作製の検討を行った。【結果】歩行の評価に足圧中心軌跡を利用することで,歩行周期毎の不安定感や下肢の支持性等の問題点が明らかとなり,歩行練習と装具の作製に活かされた。装具完成後,T字杖とプラスチック短下肢装具にて歩行は自立となった。【結論】本症例に対する歩行練習と装具作製において,足圧中心軌跡の利用が有効であった。足圧中心軌跡は,視覚的な歩行分析では入手困難な情報をより鋭敏に捉え,今後の歩行練習への有用な評価手段として期待される。<br>

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