産業医科大学におけるハイパーサーミアの現況

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タイトル別名
  • Current Status and Future Directions of Hyperthermia at the University of Occupational and Environmental Health

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抄録

産業医科大学放射線科では, 温熱療法を1988年より開始し, 現在に至るまで1000例を超す症例に施行している. 治療機器は8 MHz誘電加温装置 (Thermotron RF-8, 山本ビニター社製) を用いている. 当初は放射線治療医・放射線技師が治療に当たっていたが, 近年は臨床工学士や看護師の応援を受け行っている. 放射線 (化学) 療法の併用治療として行う場合が多いが, 全身化学療法との併用治療の割合が近年増加している. 物理学的な治療技術の進歩により放射線治療の腫瘍制御率が, 飛躍的に改善されているが, 多くの進行癌や局所再発例においては更なる局所制御率の向上が求められており, ハイパーサーミアの役割は依然として大きいものと考えている. 特に局所進行肺・食道癌に対しては積極的に併用している. また, 照射野内再発例に対する再放射線照射や多剤化学療法耐性例への同一抗癌剤再投与との併用など, 限られた治療選択肢の増感治療としても併用を試みている. 当科におけるハイパーサーミアの経験, 特に深部領域の加温方法に関して概説し, 今後の癌治療におけるハイパーサーミアの役割を考察し報告する.

収録刊行物

  • Thermal Medicine

    Thermal Medicine 26 (3), 87-96, 2010

    日本ハイパーサーミア学会

参考文献 (61)*注記

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