農業水路に転落したカエル類の脱出対策に関する基礎的実験

  • 渡部 恵司
    農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所
  • 森 淳
    農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所
  • 小出水 規行
    農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所
  • 竹村 武士
    農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Fundamental Experiment to Determine Escape Countermeasures for Frogs Falling into Agricultural Canals
  • 農業水路に転落したカエル類の脱出対策に関する基礎的実験--トウキョウダルマガエルが脱出しやすいスロープの傾斜角及び水路の水理条件
  • ノウギョウ スイロ ニ テンラク シタ カエルルイ ノ ダッシュツ タイサク ニ カンスル キソテキ ジッケン トウキョウダルマガエル ガ ダッシュツ シヤスイ スロープ ノ ケイシャカク オヨビ スイロ ノ スイリ ジョウケン
  • —トウキョウダルマガエルが脱出しやすいスロープの傾斜角及び水路の水理条件—
  • — Angle of wall slope and hydraulic conditions of agricultural canals from which Tokyo Daruma Pond Frogs (<i>Rana porosa porosa</i>) can escape easily —

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抄録

圃場整備に伴いコンクリート化された水路において,転落後に脱出できずに死亡したカエルが頻繁に観察される.本研究では,コンクリート化の影響を受けやすいとされるトウキョウダルマガエルについて,水路への転落時の行動特性並びに脱出しやすいスロープの傾斜角及び水理条件(水深・流速)を明らかにした.本種が容易に登れるスロープ傾斜角は30°以下と考えられた.また,水深・流速が小さく個体が自由に移動できる時にはスロープに到達した個体は少なかったが,後脚が水路底に届かない水深または流速が大きい時には個体が定位しにくく,スロープへの到達・脱出が促された.一方,本種の流れに対する遊泳能力は低かったことから,流速ではなく水深を調整して定位しにくい条件にするとともに,対策工周辺では流速を極力小さくする必要がある.

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参考文献 (17)*注記

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