酸化鉄を含む底質の堆積が観察される水田群における鉄とリンの挙動と物質収支

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タイトル別名
  • Behavior and Mass Balance of Iron and Phosphorus in a Paddy Field Area with Sediment Accumulation of Iron Oxides
  • サンカテツ オ フクム テイシツ ノ タイセキ ガ カンサツ サレル スイデングン ニ オケル テツ ト リン ノ キョドウ ト ブッシツ シュウシ

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抄録

鉄は流域からのリンの排出に深く関与するにもかかわらず, 負荷量の観点からの知見が不足している.本研究では, 酸化鉄を含む底質の堆積の見られる水田群において, 鉄とリンの年間の物質収支を17ヶ月間調査した.その結果, 溶存態の鉄とリンの濃度は低く, 鉄とリンの多くは懸濁態の成分として流出していた.年間の正味の排出負荷量は, T-Feでは108.6kg/ha(灌漑期37.3kg/ha, 非灌漑期71.3kg/ha), T-Pでは3.40kg/ha(灌漑期1.49kg/ha, 非灌漑期1.91kg/ha)であった.水田群ではリンを吸着する鉄が多く存在していたにもかかわらず, リンの水質浄化機能が見られなかった理由として, 排水路における底質の水流による剥離・流出が考えられた.したがって, リンの負荷排出の抑制には, リンを多く含む底質の管理が重要であると考えられた.

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