高カリウム施用または ABA 処理によるメロン種子の果実内発芽の抑制

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  • Inhibition of Viviparous Sprouting on Melon Seeds Using High Level of Potassium Fertilization or Abscisic Acid Application

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抄録

本試験は,高カリウム施肥がメロンの果実内発芽に及ぼす影響を解明するために行った試験 1 と,外生アブシジン酸(ABA)の施用が低濃度カリウム施肥下で生育したメロンの果実内発芽に及ぼす影響を解明するために行った試験 2 から構成される.試験 1 では,メロン(Cucumis melo L. group)の果実内発芽し易い系統 2 系と果実内発芽し難い系統 1 系を,高濃度条件(12.0 mmol·L−1)を含む 2 水準のカリウム条件下で栽培した.高カリウム濃度条件下で栽培した場合,果実内発芽し易い 2 系統とも,胎座部周辺果汁中の ABA 含量が増加し果実内発芽が有意に抑制された.高カリウム施肥による 1 果当たりの種子数,種子重,種子の発芽率への影響は認められなかった.このことから,交配期からの高カリウム施肥は,メロン採種栽培において種子収量や種子品質を損なうことなく果実内発芽を抑制できる栽培技術であると考えられた.試験 2 では,果実内発芽し易い 1 系統を用い低濃度条件(1.5 mmol·L−1)を含む 2 水準のカリウム条件下で栽培し,交配後 25 日の果実に異なる濃度の ABA を処理した.外生 ABA 処理により,胎座部周辺果汁中ならびに種子中の ABA 含有量が増加し,低カリウム条件下においても果実内発芽が抑制された.しかし,ABA 処理は,1 果当たりの種子数と種子の発芽率を著しく低下させた.本試験の濃度範囲内では,ABA 処理は果実内発芽の抑制に効果的であるものの,種子収量・種子品質に影響を及ぼすため採種栽培に用いる技術としては検討の余地が残る.

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