M.ヴェーバー大学教育論とその思想史的位相の"両面性" : 教授・学習論におけるSachlichkeit原理の主張を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Max Weber's Theory of Higher Education and its Historical Duality : the Concept "Sachlichkeit" from the Viewpoint of Teaching and Learning Practice
  • M ヴェーバー ダイガク キョウイクロン ト ソノ シソウシテキ イソウ ノ リョウメンセイ キョウジュ ガクシュウロン ニ オケル Sachlichkeit ゲンリ ノ シュチョウ オ チュウシン ニ

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抄録

M.ウェーバー大学論は、これまで価値自由の主張など学問研究の側面から把握されてきた。本稿では、教員は研究者かつ教師たらねばならないというかれの所見等を重んじ、Sachlichkeit概念を中心に既知の主張を教授・学習論として再整理した。そのうえでこの教育論の示した、フンボルト以来の大学教育史上の思想的位相を究明した。その結果、フンボルトとの間で、古典性と現代性という両面性の共通点とともに違いが見出された。諸学の統一性を主張したフンボルトとは異なって、学生も自らの専門に閉じこもり、「事実の確定」という課題それ自身にザハリヒに没我的に打ち込むことによる人間形成をヴェーバーは求めた。履修等の諸形式を要請するなど官僚制化が進行する大学内部にかかわるSachlichkeitの主張は、一方では官僚制組織の原則としてのそれへと意味転化する。しかし他方、官僚制原則から人間形成原理へとも意味転換しうる。かれの両面性の立場は、そうした"緊張"を含んでいた。

収録刊行物

  • 教育学研究

    教育学研究 73 (1), 1-14, 2006

    一般社団法人 日本教育学会

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