家族の文化的多様性を教えるには : カナダの中等教育カリキュラムと教科書から学ぶ

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  • Teaching Cultural Diversity in Families : Learning from Canadian Secondary Education Curricula and Textbooks

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抄録

本研究は,家族の文化的多様性が教えられているカナダの家庭科教育カリキュラムと教科書を分析した。カナダの中でも2つの大きな州,オンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア(B.C.)州のカリキュラムと教科書を検討した。本研究の目的は以下2点である。1.オンタリオ州とB.C.州の現行中等教育段階家庭科教育カリキュラムと教科書は家族の文化的多様性に関して何を教えているかを明らかにする。2.カナダの家庭科教育から学び,日本の家庭科教育では,家族の文化的多様性に関して何を教えていけるかを提案する。その結果,オンタリオ州では,科目「多様性社会の個人と家族」で,B.C.州では,科目「家族研究10-12」において,家族の文化的多様性が教えられていることが分かった。また,オンタリオ州とB.C.州で使われている教科書では,家族の文化的多様性に関わる複数のテーマが示されていた。それらを踏まえ,本研究は,日本の家庭科教育で扱う学習内容として以下のことを提案する。・家族に見られる文化の多様性・異なる文化間における家族の習慣や伝統の比較・世界的視点での文化の違いの理解・多様な文化背景を持つ家族の相違点と類似点・共感性 また,分析した教科書に見られたように,これらの内容は,ある1つの項目としてだけではなく,家庭科の内容全体を通じて教えることができるだろう。

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