統合失調症外来患者における抗精神病薬大量処方の関連因子

  • 落合 英伸
    京都大学大学院社会健康科学系専攻 医療経済学分野
  • 大坪 徹也
    京都大学大学院社会健康科学系専攻 医療経済学分野
  • 猪飼 宏
    京都大学大学院社会健康科学系専攻 医療経済学分野
  • 今中 雄一
    京都大学大学院社会健康科学系専攻 医療経済学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Factors associated with high-dose prescription of antipsychotics in outpatients with schizophrenia
  • 統合失調症外来患者における抗精神病薬大量処方の関連因子 : 広域レセプトデータの活用
  • トウゴウ シッチョウショウ ガイライ カンジャ ニ オケル コウセイシンビョウヤク タイリョウ ショホウ ノ カンレン インシ : コウイキ レセプトデータ ノ カツヨウ
  • ── 広域レセプトデータの活用 ──
  • ── An analysis of claims data from a Japanese prefecture ──

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抄録

我が国の抗精神病薬大量処方は,諸外国と比べて頻繁に実施されている。本研究では,広域地域国民健康保険および後期高齢者医療診療報酬データを活用し,外来維持期の統合失調症患者の抗精神病薬大量処方と患者因子,診療行為,受診施設の種類との関連について探索した。大量処方の定義は,患者当たりのクロルプロマジン換算値が1,000 mg/日を超える処方とした。大量処方患者は,全体(n=6,726)の7.9%,施設別では精神科病院13.1%,精神科診療所8.3%,一般病院5.0%,一般診療所2.0%と傾向に違いがみられた。多重ロジスティック回帰分析の結果では,大量処方の調整オッズ比は75歳以上の高齢者で低く,精神科リハビリ利用者の非利用者に対する調整オッズ比は1.89~4.38と高かった。医療政策面では,施設ごとおよび地域における抗精神病薬の実態がモニターできる有用なデータである。

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