大学病院における血液培養陽性事例に関する検討

  • 仲田 佑未
    国立大学法人鳥取大学医学部附属病院 検査部
  • 藤原 弘光
    国立大学法人鳥取大学医学部附属病院 検査部 国立大学法人鳥取大学医学部附属病院 感染制御部
  • 上灘 紳子
    国立大学法人鳥取大学医学部附属病院 感染制御部
  • 高根 浩
    国立大学法人鳥取大学医学部附属病院 感染制御部
  • 千酌 浩樹
    国立大学法人鳥取大学医学部附属病院 感染制御部

書誌事項

タイトル別名
  • Blood Culture-Positive Episodes in a Tertiary University Hospital in Japan
  • ダイガク ビョウイン ニ オケル ケツエキ バイヨウ ヨウセイ ジレイ ニ カンスル ケントウ

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抄録

 2012年当院で発生した血液培養陽性症エピソード322件,241症例について臨床的に菌血症かコンタミネーションかを判定し,菌血症の特徴を検討した.検討項目は,菌血症か否か,検出菌種,陽性化時間,基礎疾患,カテーテル留置の有無,抗菌薬療法とした.菌血症と判定されたのは244件(75.8%)であった.菌種別では菌血症と判定された割合は,真菌11/11(100.0%),グラム陰性桿菌95/99(96.0%),Staphylococcus aureus 43/45(95.6%)で高く,coagulase-negative staphylococci 38/93(40.9%)は低かった.菌血症と判断された症例の平均陽性時間は22.1時間,これ以外の症例は31.6時間であった.菌種別の平均陽性化時間はStreptococcus属とEnterococcus属で菌血症か否かで10時間以上の差を認めた.抗菌薬療法は菌血症と判断された175症例中156症例で実施された.抗菌薬投与開始が血液培養検査に先行して行われていた症例は43症例,血液培養実施時45症例,血液培養陽性時50症例,菌種・感受性結果判明時が18症例であった.今回の検討結果から,菌血症診療の向上に,陽性化時間の報告,菌種ごとの培養陽性化時間のデータ蓄積,抜去カテーテル培養法の改善,菌種同定・感受性検査の迅速化等が役立つものと考えられた.<br>

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参考文献 (3)*注記

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