アデノシン三リン酸測定器および試薬間における相関関係と医療分野における適切な活用

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タイトル別名
  • Correlation Between Instrument Reagent Adenosine Triphosphate and Tolerance Settings and Appropriate Use in The Medical Field
  • アデノシン サン リンサン ソクテイキ オヨビ シヤク カン ニ オケル ソウカン カンケイ ト イリョウ ブンヤ ニ オケル テキセツ ナ カツヨウ

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抄録

  国内で汎用されているアデノシン三リン酸(Adenosine Tri-Phosphate; ATP)測定器と試薬を用いて,ATP標準液と標準菌株懸濁液を測定し相関関係を明確にすることで,ATPを指標とした医療分野における医療機器の清浄度評価と再洗浄の目安となる許容値設定について検討した.Lumitester PD–20とATP測定試薬LuciPac Pen(A法),CleanTrace UNG3とATP測定試薬CleanTrace UXL(B法)およびUNG3とATP測定試薬CleanTrace AQT(C法)を用いて,蒸留水,ATP粉末試薬を蒸留水に溶解した標準液,主要4菌種の標準菌株懸濁液を測定した.結果,蒸留水はATP陽性となり,一般細菌,真菌の測定限界値は各々102~103,2.0 CFU/assayだった.ATP標準液および標準菌株懸濁液の測定値はA法,B法,C法の順に高値となり,いずれの方法でも測定値は相関係数0.98以上と高い相関を示したが絶対値ではなく,各測定法間での測定値の比較には問題があると考えられた.また,どの方法でも高感度,低特異度なため,医療現場でATPを清浄度評価とする際は,医療機器洗浄後など菌残留が許容される場合に有用であることが示唆された.許容値に関しては,洗浄後の残留ATPの平均値を調べ,洗浄方法別の値を設定する必要がある.<br>

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