食品衛生分野におけるパームスタンプ検査の実施方法に関する検討

  • 村上 和保
    Faculty of Human Life Studies, Department of Nutrition and Health Promotion, Hiroshima Jogakuin University
  • 梅迫 誠一
    Department of Infectious Diseases Control, Osaka Prefecture University

書誌事項

タイトル別名
  • Study of Methods of Examination by The Full-hand Touch Plate Method in Food Hygiene
  • ショクヒン エイセイ ブンヤ ニ オケル パームスタンプ ケンサ ノ ジッシ ホウホウ ニ カンスル ケントウ

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抄録

  パームスタンプは手指衛生の検査や教育のツールとして広く用いられているが,スタンプの強さと検出菌数の関係や,手指が十分に洗浄・消毒されたことの判断の目安となる菌数については十分に検討されていない.そこで本研究ではこれらについて主に食品衛生の観点で検討を行った.被験者は女子大学生(18~22歳)で,パームスタンプ検査は手形培地に利き手で行った.また,手洗いは,食品衛生指導員用のマニュアルに準じ,消毒は十分な乾燥および80%エタノール噴霧をすることによった.その結果,(1)被験者が任意の強さでパームスタンプを行った場合,その強さは935.4 gで,検出された菌数は132.2 CFU/handであった.一方,500 gの強さでスタンプした場合は124.5 CFU/hand,1500 gでスタンプした場合は117.2 CFU/handであり,3者間のいずれにおいても有意差はみられなかった.したがって,パームスタンプを行う時,スタンプの強さは検出菌数に影響しないことが示された.(2)手洗い・消毒前のパームスタンプでは,138.5 CFU/handが検出されたのに対し,手洗い・消毒後には11.4 CFU/handへと有意に減少した(除菌率;87.8%).このことから今回の被験者においては,適正な手洗い・消毒がなされた一つの目安として30 CFU/hand以下であることが示唆された.<br>

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参考文献 (1)*注記

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