70%アルコール・絹糸縫合不要なデバイスによる中心静脈カテーテル管理についての報告

書誌事項

タイトル別名
  • Central Venous Catheter Management by Using a Silk Thread Suture-Free Device with 70% Alcohol
  • 70% アルコール キヌイト ホウゴウ フヨウナ デバイス ニ ヨル チュウシン ジョウミャク カテーテル カンリ ニ ツイテ ノ ホウコク

この論文をさがす

抄録

  当病棟は造血器悪性腫瘍・循環器疾患を主とした混合病棟で,中心静脈カテーテル(central venous catheter以下CVC)は,移植前処置を含めた抗癌剤治療,循環器疾患急性期など多岐に渡って挿入され,挿入期間も長期に及ぶ.当院ではCVCを挿入時絹糸で固定し,ポピドンヨード消毒にて管理していた.しかし,刺入部・絹糸固定部の発赤,ドレッシング剤の剥離など多数の問題が生じていた.またポピドンヨードの乾燥に時間を要し,刺入部観察のためハイポアルコールを使用し,包交に時間と手間を要した.このため,新たに絹糸縫合不要のデバイス,70%アルコールによる消毒,伸縮性・発汗性の強いドレッシング剤を一部の患者に導入した.導入後の2006年2月~5月,CVC関連血流感染(以下CVC-BSI)サーベイランスを行い,手技変更後CVC-BSIの増加がないことを確認した.同年6月より全ての患者に統一した消毒剤,ドレッシング剤を使用し,サーベイランスを継続した(固定法は現状では不統一である).CVC-BSIの発生頻度は,管理手技統一前のポピドンヨード,ハイポアルコール使用例で5件(8/1000),新たな管理手技では0件であった.手技統一後は5件(2/1000)で,CVC-BSIは増加しなかった.絹糸固定例48人中16人に皮膚発赤が起こったが,デバイスによる固定例では皮膚トラブルを生じなかった.<br>

収録刊行物

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ