イネ組換え近交系の出穂後の稈におけるデンプン含量およびデンプン代謝関連遺伝子発現量の推移

書誌事項

タイトル別名
  • Dynamics of Starch Content and the Expression Profile of the Genes Involved in Starch Metabolism in Culms of Rice Recombinant Inbred Lines after Heading
  • イネ クミカエ キンコウケイ ノ シュッスイ ゴ ノ カン ニ オケル デンプン ガンリョウ オヨビ デンプン タイシャ カンレン イデンシ ハツゲンリョウ ノ スイイ

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抄録

出穂前のイネの茎中には同化産物がデンプンの形で蓄積されていて,出穂後にショ糖へ変換,穂へと転流する.この時,茎中のデンプンを効率的に穂へと転流させることが出来れば,極穂重型品種で問題となる登熟不良の解決に繋がると考えられる.また,逆にデンプンが茎に蓄積した状態を保つことが出来れば,稲体をホールクロップサイレージとして活用することが期待できる.本研究では,出穂後の茎中非構造性炭水化物含量について特徴的な推移を見せたイネ組換え近交系9系統(中生新千本/密陽23号由来)を用い,出穂後の止葉直下第1節上の稈についてデンプン含量の推移を3カ年にわたって調査した.この内,年次変動の少なかった3系統について,各種デンプン代謝・転流関連遺伝子の発現について調査した結果,出穂後42日目にデンプン含量が増加する系統では,登熟後期においてデンプン合成に関連する遺伝子である可溶性デンプン合成酵素(SSIIIB)およびショ糖合成酵素(RSUS1)の発現が高くなる傾向が明らかになった.したがって,これらの遺伝子の発現は止葉直下第1節上稈におけるデンプンの再蓄積に寄与しており,その発現を制御することは飼料イネ品種の開発にも貢献しうることが示唆された.

収録刊行物

  • 作物研究

    作物研究 59 (0), 17-22, 2014

    近畿作物・育種研究会

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