Clostridium difficile関連下痢症患者における危険因子の検討

  • 服部 万里子
    独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 臨床検査科 独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 感染対策チーム
  • 坂本 拓也
    独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 薬剤部 独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 感染対策チーム
  • 河井 良智
    独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 薬剤部
  • 松田 俊之
    独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 薬剤部 独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 感染対策チーム
  • 熊澤 美紀子
    独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 看護部 独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 感染対策チーム
  • 遠藤 洋子
    独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 看護部 独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 感染対策チーム
  • 戸島 洋一
    独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 呼吸器内科 独立行政法人労働者健康福祉機構東京労災病院 感染対策チーム

書誌事項

タイトル別名
  • Risk Factors for Clostridium difficile-Associated Diarrhea
  • Clostridium difficile カンレン ゲリショウ カンジャ ニ オケル キケン インシ ノ ケントウ

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説明

Clostridium difficile関連下痢症(CDAD)は抗菌薬関連下痢症の主要な原因であるが,従来のCDADに関する症例対照研究の多くは,対照群として下痢症状のない患者を選択している.しかし,実地臨床では下痢症状を呈する原因は多様であり,CDADを含めた鑑別診断が重要であるため,本研究はその点に着目した.入院中に下痢症状を呈しCDtoxin検査が行われ,toxinが陽性であった患者を症例群とし,同時期に入院中で下痢症状はあったが検査は陰性であった患者を対照群として,CDADを発症する危険因子について症例対照研究を行った.<br>   危険因子となりうる22項目について,両群間でカイ二乗検定を行い,さらに多重ロジスティック回帰分析を行って調整オッズ比を算出した.<br>   症例群33名,対照群108名で因子ごとの検定でオッズ比が有意に高かった項目は,性別(男性),MRSA陽性,低アルブミン血症(≦3.0 g/dL)の3項目であった.ロジスティック回帰分析では低アルブミン血症(オッズ比14.8, 95%CI: 3.36-64.80, p<0.001)のみが有意となった.入院中に下痢を起こす患者の背景には共通するものが多いため,CDADに特異的な要因は少ないが,低アルブミン血症を呈する患者では特にリスクが高いと考えられる.<br>

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参考文献 (24)*注記

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